メタボリックシンドローム(生活習慣病)は、心筋梗塞や脳卒中の引き金にもなる怖い病気です。メタボと深く関係しているのが、内臓脂肪と言われています。今回は、痩せない限り、病気のリスクがつきまとう理由をご紹介します。
目次
メタボリックシンドロームとは
なぜ痩せなきゃダメなのか?
それを知るために、まずはメタボの基礎知識&メカニズムをみていきましょう。
診断基準
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪(ウエストの太さ)に加え、
- 脂質代謝異常(高脂血症)
- 高血圧
- 高血糖
の3つのうち、2つが当てはまる状態をいいます。
メタボリックシンドロームの判断基準(出典:厚生労働省)
全項目が当てはまるメタボ状態では、体に内臓脂肪がたっぷりつき、血液中にコレステロールがうじゃうじゃ浮遊する中、高濃度の糖や過剰な血圧で、血管が痛めつけられている状態になります。
メタボは、動脈硬化の引き金になる
このような血管の状態が続くと、どうなるでしょうか?弾力性のあった血管は硬くなり、血管内には中性脂肪等がヘドロのようにくっつき、血管はまるで溶けたゴムホースのようにボロボロになってしまいます。これが、動脈硬化が進んだ状態です。
動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中の引き金になる
動脈硬化が起こると、どうなるでしょうか?血栓ができて血管が詰まり、心臓に詰まれば心筋梗塞(心臓病)、脳に詰まれば脳卒中が起きます。脳卒中は、後遺症が残る可能性が高い病気です。心筋梗塞と脳卒中は、がんと並んで、死亡原因ワースト3位に含まれています。
内臓脂肪は、動脈硬化を促進させる
内臓脂肪がたっぷりつくと、アディポサイトカインという物質の分泌が、異常になることが分かっています。異常が起こると、食欲旺盛になったり、糖尿病の薬「インスリン」が効きにくくなったり、血圧が上がりやすくなったりします。つまり、動脈硬化に追い打ちをかけます。
よって、内臓脂肪を減らして分泌異常を止めない限り、いくら病院で治療をしても、病気のリスクは決してなくならないのです。
自覚症状が少ない、メタボ&動脈硬化
病気の進行を止めるには、根本原因である、内臓脂肪を減らす必要があります。
分かりやすく、お風呂に例えましょう。お風呂でのぼせる=心筋梗塞・脳卒中とします。
温かいお風呂にずっと浸かっていると、いずれのぼせてしまいます。病院では、のぼせないように、お湯を水で薄めて治療します。でも、ぬるめのお湯も気持ちいいので、そのまま浸かりすぎてしまいます。メタボは、自覚症状がほとんどありません。すると、いずれは気づかないうちに、お風呂でのぼせてしまいます。ジ・エンドです。のぼせないためには、さっさとお風呂から上がって、根本原因を絶つ必要があるのです。
メタボ改善には、食事の量を減らして運動を!
内臓脂肪は皮下脂肪に比べ、増加しやすく減りやすいという特徴があります。食事の量を減らしたり、運動をしたりするだけでも、比較的簡単に減っていくはずです。内臓脂肪が減れば、アディポサイトカインも正常に近づき、脂質異常・高血圧・高血糖の改善も見込まれます。
血管内には神経がなく、痛みを感じません。しかし、痛みを感じなくても、症状はどんどん悪化してしまいます。手遅れになる前に、内臓脂肪を減らして、メタボな体にさよならをしましょう!
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