hCG注射で排卵しない?代わりに点鼻薬で排卵させてみた。

hCG以外にも、スプレキュア点鼻薬(GnRHアゴニスト)で排卵させる方法があります。

今回、点鼻薬を使って排卵させたので、結果をまとめてみました。

また、排卵しない原因を調べた論文を、合わせてご紹介したいと思います。

アラサー不妊治療ブログ 妊活22か月目 第二弾

人工授精4回中、2回排卵しない疑惑発生。確率高くない?

2016.5.2(月) 生理周期3日目

この月は、色々相談したいことがあったので、生理周期3日目に来院しました。

相談の一つは、hCG注射を打っても排卵しにくい事

これまで、4回人工授精をして、2回エコーで残像が確認されました。その原因として、LUFが考えられます。

[aside type=”normal”] 黄体化未破裂卵胞(LUF)
基礎体温で体温が上昇しているのに、排卵していない状態。原因不明不妊の一つ。[/aside]

不安になって、排卵しない理由を検索していたら、

「LUFが起きる場合、hCGによる排卵促進が合わなかったのが原因かもしれません。自分なら、点鼻薬(GnRHアゴニスト)を使う方法を試してみます。」

[aside type=”normal”] スプレキュア点鼻薬(GnRHアゴニスト)
長期間使用することで、FSHやLHを抑える薬。短期間使用すると、一時的にFSHやLHが上がり、排卵が誘発される(フレアーアップ)。[/aside]

というドクターのコラムを発見したので、さっそく担当医に相談したわけです。そしたら…

医師「残像確認は、エコーで水が残っているかどうかを見るだけなので、本当に排卵していないかどうかは分かりません。そんなに気にすることではありませんよ。」

否定された!Σ( ̄□ ̄;)なぜ?実際のところどうなの!?と思ったので、論文(医学研究文書)を探してみました。今回、その結果をご紹介したいと思います。

hCGとGnRHアゴニストの比較研究情報

注)私は生化学を学んでいたので、医療情報を探すことはできます。ただし、医療従事者ではないので、総合的な判断は間違う可能性があります。最後は、担当医にご確認くださいm(.__.)m

以下、論文の内容です。

 

hCGとGnRHアゴニスト、LUFの発生率は?

低量のHMGで治療中、hCGとGnRHアゴニストで排卵させた結果、どちらを使ってもLUFの発生率は減少しました。1)排卵誘発剤の条件よっては、GnRHアゴニストの方が、LUFの発生率が減少しました。排卵してしまえば、hCGでもGnRHアゴニストでも、妊娠率は変わりませんでした。1,2)

hCGやGnRHアゴニスト、どちらを使ってもLUFの発生率は減少した。排卵誘発剤の条件によっては、GnRHアゴニストの方が、LUFの発生率は減少した。

 

ただし、こんな論文もありました。

体外受精中(GnRHアンタゴニスト法)、hCGとGnRHアゴニストで排卵させた結果、hCGが妊娠率36%で、GnRHアゴニストが妊娠率6%、hCGの方が妊娠率が高くなりました。ただし、受精率や胚になる確率は、GnRHアゴニストの方が高い結果でした。3)
筆者は、GnRHアゴニストを使うと、胚の質は落とさないが黄体機能に悪影響を与える、hCGを使うと、胚の質に悪影響を与えるが黄体機能は良くなるからだと考えています。GnRHアゴニストで排卵させる場合は、黄体ホルモン補充などにより、妊娠率を上げることが重要だそうです。

移植率や妊娠率は、hCGの方が高い。ただし、受精率や胚になる確率は、GnRHアゴニストの方が高い。(体外受精)

 

そこで、黄体機能不全も含めて、論文を検索してみました。

黄体期中期のプロゲステロン値が10ng/ml以下の場合、71.1%の周期でLUFが確認されました。一方、10ng/ml以上では、7.9%でした。4)

黄体機能不全(黄体期中期のP値:10ng/ml以下)の場合、LUFの発生率は上がる。

 

<まとめ>

hCGとGnRHアゴニストは、どちらもLUFを予防しますが、条件によってはGnRHアゴニストの方がLUFを防ぎやすいようです。長期でhCGを使うと良くないかもしれませんが、黄体機能不全の私にとっては、hCGの方が黄体機能維持ができてよいかもしれません。

どちらも一長一短がありますね。いろんな考えがあって、「各医者の考え方の違いが出てくる領域」だと思います。

 

だから、せめて自分が納得できるよう、今回はスプレキュア点鼻薬を使いたいと、医師にごり押ししてお願いしました。

<理由>

  • 1回試してみたかった。(そのときは、黄体ホルモン注射もお願いしたい(黄体機能不全予防))
  • 体外受精で点鼻薬を使う可能性があるので、今のうちに薬の効きを調べて損はないと思う(私は鼻炎持ち)。
  • 転院(体外授精)を考えている病院のHPに、「GnRHアゴニスト(スプレキュアなど)18000円」と書いてあった。体外受精用途だと、100%自費になるからだと思う。今回スプレキュア点鼻薬を購入したら、保険適用で3040円と言われたので、今のうちに手に入れたかった。

いろんな理由があって、お願いしました。聞き入れてくれた医師に感謝です。

スプレキュア点鼻薬を使った結果

今月は、人工授精5回目、フォリスチム(rhFSH製剤)75単位での治療です。

スプレキュア点鼻薬の排卵誘発効果は、排卵検査薬を使って、「LHサージが起こるか」で判断しました。排卵検査薬は、調剤薬局で日本製を購入して、7本3480円(自費)でした。いいお値段ですね。でも、効くかどうか見たかったから…仕方ない…(>_<)

 

2016.5.11(水) 生理周期12日目

医師「卵胞が21mmですね。今日のいつでもいいので、スプレキュア点鼻薬を両鼻2回ずつ1セット、使用してください。」

GnRHアゴニスト(スプレキュアなど)で誘導をかけた場合、4時間過ぎにLHサージのピークが来るようです。3) 試しに、0h(生理周期12日目12時)、6h、12h、24hの4点を測定してみました。

スプレキュア点鼻薬は、鼻をかんでから、シュってしました。鼻はすっきりしました。。

 

結果はこんな感じ。

AIH5_スプレキュア

基礎体温は、AIH後7日目まで(生理周期9~20日目)を載せてみました。ガタガタですねぇ…!!AIHの4日後に、黄体ホルモン注射をしたんですけど。もっと早めがよかったかしら。。

さてさて、排卵検査薬は、0~3本の線の数で、陽性を判定します。結果、0h:2本、6h:3本、12h:3本、24h:2本でした。6hが3本で一番濃くみえていたし、ピークはここかな?(ピーク:生理周期12日目18時

たぶん、スプレキュアで誘導できたと思います!

でも、0hから2本見えていたから…自信がない(爆)既にLHサージが起きていたのかも?つまり、スプレキュア点鼻薬で誘導されたのではなく、もともとLHサージが起きていた可能性も否定できません。前日にでも測定しておくべきだった。やってしまった!!

AIH前日に、LHサージが確認できました。スプレキュア点鼻薬で誘導できたと思いますが、断定はできません。

 

LHサージが起きてから、36時間以内に排卵すると言われています。LHサージから15時間後くらいにAIHをしたので(AIH:生理周期13日目9時)、タイミングはとれたはずです。まぁ結果的には良しです。。

そして、AIHから4日後の残像確認!

医師「残像がみられますね。ただ、排卵前には何もなかった場所に残像が見られます。排卵すると水が出て腹水がたまるので、これは排卵した結果だと思いますよ。」

本当に、排卵したかどうかって、判断が難しいのですね(T_T)

 

★その後のお話を追記

次の周期の、生理周期3日目。E2値231のため、プラノバールという薬を飲み、ホルモン治療をすることになりました(50未満が正常値の目安)。原因は、「排卵誘発剤による残存卵胞の影響」だと思います。今まで、さすがに生理後の持ち越しはなかったんだけど(T_T)体外受精に進もうにも、この状態でよい卵子は作れそうにないため、ホルモン治療の後になりました。

こんなこともあるようです。(知識不足のため、この状態がどのくらい悪いかは分からないです…。)

⇒具体的な治療内容は、こちらのブログにまとめています。

 

その後、人工授精5回目の結果は、次のブログに続きます!

 

<<人工授精5回目①の記事へ    人工授精5回目③の記事へ>>

 

<参考>
1)1993 Jun;7(2):115-22.Comparison of hCG versus GnRH analog for releasing oocytes following ultra low-dose gonadotropin stimulation.
2)1993 Apr;8(4):568-71.The efficacy of short-term gonadotrophin-releasing hormone agonists versus human chorionic gonadotrophin to enable oocyte release in gonadotrophin stimulated cycles.
3)2005 May;20(5):1213-20. Epub 2005 Mar 10GnRH agonist (buserelin) or hCG for ovulation induction in GnRH antagonist IVF/ICSI cycles: a prospective randomized study.
4)1987 Feb;26(2):129-36.Ovulatory disturbances in patients with luteal insufficiency.

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